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ロトスコープがアニメでも通用することを証明したシリーズ

ロトスコープがアニメでも通用することを証明したシリーズ


ロトスコープは、アニメ界では賛否両論あるテーマです。ロトスコープはアニメで上手くできるのでしょうか?

ロトスコープとは、実在の人物を使って撮影したシーンを、アニメーターが1コマずつトレースしていくという、特定のアニメーション手法です。
時間がかかるため、アニメではあまり使われない手法ですが、活用された例もあります。しかし、この手法はアニメファンの間では賛否両論あります。
多くの人が、ロトスコープから生み出される結果は良くて標準以下で、多くの人が慣れ親しんでいるいつものアニメスタイルにはとてもかなわない、と考えています。

『花とアリス殺人事件』の場合

『花とアリス殺人事件』は、アニメにおけるロトスコープの「良い」使い方として、より広く受け入れられている作品だと思われます。
このアニメ映画はフラットなカラーパレットを使用しており、基本的にシェーディング㊟は、ほとんどありません。
それに対して、このアニメでは背景が非常に細かく、鮮やかです。これにより、視聴者は周りの風景とそのシーンに登場するキャラクターの奥行きのある描写に集中することができます。
㊟ コンピューターグラフィックスで、物体表面に陰影や色の変化をつけ、立体感や質感をだす手法。

キャラクターデザインはシンプルで、ロトスコープのテクニックを使ってキャラクターの動きをより流動的に表現しています。特にアリスがバレエの練習をしているシーンでは、とても自然に見えるので良いです。
また、ロトスコープを使うことで、従来は難しかった小さな動作や複雑な動作も、簡単に表現できるようになります。



『惡の華』

同名マンガを映画化した『悪の華』は、社会に不満を持ち、文学の色あせた教えに救いを求める青年・春日 高男の姿を描きます。
ある日、想いを寄せる女の子の体操服をつい盗んでしまった春日は、クラスの不気味な女の子、仲村 佐和に脅迫され、彼女の言うことを聞かざるを得なくなります。

原作の『悪の華』はカルト的な人気を誇りましたが、ロトスコープの技法を用いたアニメはあまり評判が良くありませんでした。このシリーズは、その一見「醜い」アニメーションのために、ファンから広く嫌われています。
『花とアリス殺人事件』のシンプルなキャラクターデザインとは対照的に、『悪の華』のキャラクターデザインは、リアルな雰囲気を醸し出すために、はるかに細部まで描き込まれています。また、背景美術も非常にリアルに描かれています。
リアルな作風は感情表現には有効ですが、リアルな顔は不気味の谷に入り込んでしまいます。原作者の押見 修造氏は、奇妙な視覚効果を使って視聴者の感情を弄ぶのが好きなので、これは意図的なものだったかもしれないのですが。

『花とアリス殺人事件』では、ロトスコープがいかにシンプルで自然なものであるかを示す一方で、『悪の華』では、多くの人がこの技法について嫌う原因にもなっている、不快な不気味の谷のステレオタイプに合致してしまいました。
両作品とも同じ手法を使いながら、ファンからの評価は大きく異なり、ロトスコープがいかに多様であるか、またこの手法がいかに論議を呼ぶものであるかを証明しています。
『花とアリス殺人事件』と『悪の華』は、ロトスコープが有効であることを示す典型的な例であり、今後の(アニメ的表現の)新たな試みのきっかけになればと願っています。

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