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『ハイキュー!!』が、いかにして少年アニメに欠かせないライバル関係の存在感を示しているか

『ハイキュー!!』が、いかにして少年アニメに欠かせないライバル関係の存在感を示しているか


古舘の『ハイキュー!!』は、個人と個人、チームとチームのライバル関係をうまく利用しながら、成長とつながりをスリリングに描いています。

ー注意ー
以下は、古舘 春一原作『ハイキュー!!』の結末のネタバレを含みます。

『ハイキュー!!』は、魅力的で不屈の主人公・日向 翔陽(ひなた しょうよう)を通して、少年ジャンルを体現しています。
この物語が成功しているのは、非常に好感の持てる友人やライバル達が集まっているためでもあります。ネットの両側に、更にコートの内と外の両方に、魅力的なキャラクターがいるのです。
ライバル関係の重要性は、日向が彼の好敵手である影山と出会った瞬間に確立しました。

日向と影山は共に強力なライバル達を得て、物語とバレーボールそのものに深みを与えています。
影山の最初の重要なライバルである及川は、影山との個人対個人のライバル関係から、烏野と青葉城西のチームのライバル関係へと発展していき、物語を感情的にもインパクト的にも最高点へ導くのです。

(インターハイ予選での)青葉城西戦のような敗戦を繰り返さないために、チームはスキルアップした後、目標と才能を統一させました。
その結果、(春高予選での)青葉城西との再戦では、影山はセッターとしてだけでなく、自我を捨てチームの一員として、チームと共に成長していく姿を見せ、輝きを放ったのです。
この試合では、影山は一歩引いて、もう一人のセッターである菅原に脚光が浴びるのを手助けしました。

それは、チームとして一つになった烏野高校と謙虚さを学んだ影山を示す栄光の瞬間でした。エースセッターとチームの結束は、青葉城西戦の勝利という成功にもつながり新たな挑戦へのお膳立てになりました。

原作者・古舘が青葉城西を”越えられない壁”と描写したのに対し、次のライバルは正統派ラスボスのように感じられます。ほぼ完璧なエースである牛島と彼のチーム白鳥沢を通じて、烏野はチーム全員でライバル意識を共有することになります。
牛島の才能は、烏野の少年たちがこれまで対峙してきたものとは別物だったのです。古舘がさらに高いハードルを設定したことで、チーム全体が成長を余儀なくされますが、それはチームの中で最もやる気がないように見える月島を通して見ることができます。

怪物的な敵と相対した月島は、牛島のパワースパイクを防ぐと、いつもの冷淡で皮肉な殻を破り、積極的な努力を見せると共に純粋な感情を爆発させました。
チーム内で最もネガティブな人物が、(自分の中にあった)疑問を克服し、チームの勝利に貢献する姿は、スポーツストーリーを盛り上げる、感動的なキャラクター回として理想的な例と言えるでしょう。

月島の努力と、さらに磨きをかけた烏野チームの技術が組み合わさり、またしても難敵を打ち負かします。この成功は、チーム共通の目標である「県内ナンバーワンの座を勝ち取る」ための誇りと意欲を与えてくれました。



烏野がかつてトップだった頃、音駒高校とは長年のライバル関係にありました。音駒は、青葉城西に敗れた弱点を克服するための友好的なライバルとして現在の物語に登場しますが、やがて両チームの実力が同等になるにつれ、かつてのように宿命のライバルに変化してゆきます。
春の全日本大会を通じて、互いの活躍に刺激しあう両チームの間に強い絆のような物が生まれます。

この宿命のライバル対決は、春高トーナメント3回戦でついに正式な試合となりました。試合が大会の中盤に位置していることで、プレッシャーは、試合全体の勝敗よりもライバル関係の方にかかる事になります。

長期にわたるライバル関係のストレスが加わるだけではなく、烏野のほぼ全員それぞれに音駒高校に良きライバルがいるという事実が、この試合を実質的にシリーズ全体のクライマックスにしてしまうのでした。この戦いは、最高の(選手同士の)ペアリングと感動的な瞬間を見せてくれました。

烏野のメンバーとして初めて音駒高校のメンバーと心を通わせたのは、練習試合の前に出会った研磨でした。研磨の控えめな性格と卓越したゲームセンスは、豪快で、いまだ洗練されていない自分自身の性格と対照的で、日向の興味を引いたのです。
二人の友情とライバル心がパズルの一つの要素です。月島と黒尾、田中と山本、そして最後に西谷と夜久にも、同様の絆が光ります。

涙と抱擁の熱戦の末、試合は終わりますが、烏野対音駒は『ハイキュー!!』の魅力を余すところなく表現しています。この旅は終わりではありませんが、県の頂点に向かって羽ばたき、最強の中に立つという二人(日向と影山)の共通の夢を実現させました。
しかし、残念なことに、その夢を実現する一方で、シリーズの発端となったライバル関係(日向と影山)は結末を見ることができませんでした。まさに真の最後までは。

『ハイキュー!!』 の(マンガ)最終章は、春の全日本大会から5年後、日向と影山がプロチーム入りしたところから始まっています。そこでは牛島らかつてのライバルたちも加わっています。日向と影山がコート上でコンビとしても個別でも大きな成功を収め、最終的に対等な立場で素晴らしい戦いを繰り広げることができるのは、二人にとってにふさわしい結末かもしれません。
このように、日向と影山は当初のライバル関係を熟成させ、他のトップレベルの選手たちをチームメイトとして加えることで、烏野の旅から離れましたが、一方で『ハイキュー!!』らしい要素もちゃんと残してあります。

この最終戦は、読者に完結感を与えました。物語的を始めたところで終わるというのは、すべての糸が結ばれたというスッキリしたレベルの満足感を物語に与える古典的なタッチでもあります。また、物語の発端となったライバル関係が、新たな敵に対して団結し、最後の壮絶な対決で再会するという展開で、物語を進化させ、成長させることができたのです。

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