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『鬼滅の刃』から『僕のヒーローアカデミア』まで:なぜ「愛すべき臆病者」はしばしば論争を巻き起こすのか?

『鬼滅の刃』から『僕のヒーローアカデミア』まで:なぜ「愛すべき臆病者」はしばしば論争を巻き起こすのか?


臆病は、アニメやマンガのキャラクターによく見られる特徴ですが、ファンの間では一般的に賛否両論があるようです。 この特徴が悪名高いのは、いったいなぜなのでしょうか?

困難な状況に陥ったとき、最も論理的な行動として「逃げる」ことがあります。残念ながら、アニメの世界では、この反射的行動がキャラクターをファン界から、のけ者扱いされてしまうことがあります。
スーパーヒーローから魔法少女まで、臆病なキャラクターはアニメやマンガの定番の型になっています。しかし、その存在は必ずしもファンに受け入れられているわけではなく、しばしばこれらのキャラクターがファンを大きく分裂させる原因になることがあります。

キャラクターの臆病さを論ずる際には、年齢、過去の経験、強さ、外からのサポートなど、いくつかの要素を考慮する必要があります。これらの要素は、臆病なキャラクターが他のキャラクターと絡む際にどのように振る舞うかに関係し、個々のキャラクター回や編の描写のされ方に影響を与えます。

下から順に、臆病キャラを紹介します。まずは『僕のヒーローアカデミア』の峰田 実(みねた みのる)です。彼は、臆病で変態で、深刻な状況に遭遇しても、自分のスケベ心を満たすためにその状況を利用するなど、これではファンから愛されるはずも無く、ガチな嫌われキャラクターです。
もし峰田がただの臆病者だったら、アニメ界ではまだ救いようのある存在になれたかもしれません。というのも、彼はまだ若く、ヒーローになった経験もほとんど無く、パワーも極めて弱いからです。
彼をサポートしてくれる仲間がいないのですが、しかし、それは彼自身の自業自得であり、そのため、彼が人として成長するのをファンが応援することを難しくしています。他のすべての方法で、成長できる機会を受けているにもかかわらずです。

峯田から一歩進んだのが、『鬼滅の刃』の我妻 善逸(あがつま ぜんいつ)です。善逸はより複雑な臆病者なので、彼の好感度については比較的意見が分かれています。善逸はまだ16歳ですが、厳しい修行を積んできたため、鬼狩りの素養は十分にあります。
また、本人はあまり自覚していませんが、実のところ非常に強いのです。ただ、彼が力を発揮するためには恐怖で気を失う必要があるため、その臆病さこそが、彼の成長には欠かせない要素になっています。また、善逸には同じ鬼殺隊として彼をサポートしてくれる仲間もいます。
しかし、善逸はその臆病さゆえに、周囲に非常に迷惑をかけることもあります。例えば、若い女性に「自分はもうすぐ死んでしまうので、その前に結婚してくれ」と叫んで付きまとったりします。彼が見せる禰豆子への執着は、微笑ましいともキモイともとれるため、彼のキャラクターに対する世論調査の際、ファン界を分裂させました。

善逸は遊郭編で、遊郭で働く若い女の子を酷く扱った鬼、ダキへの復讐心から、ダキと戦うことになるわけですが、この際、女の子に対する庇護者としての役割を獲得している事も、重要なポイントとして挙げておきます。
善逸は、そのポテンシャルを最大限に引き出すには、今のところ、臆病さから気絶するしかないかもしれませんが、困っている人を守るためなら、自分の命も危険にさらすことができるということもまた示しています。つまり賛否両論はあるでしょうが、善逸はその価値を何度も何度も証明してきました。



峯田も善逸も臆病者の原型を満たす脇役ですが、その悩み、不安と臆病さゆえに何十年も悪名高い主人公役がいます。『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジです。彼は典型的な臆病な主人公で、非常に若いナイーブな14歳で、彼はEVAを操縦しながら使徒と戦うという状況にある日突然放り込まれます。
彼のパワーもすべてEVAユニットがベースになっています。シンジの臆病さは完全に理解できます。なのに視聴者が彼に反感を抱く理由は、ほぼ間違いなく綾波レイでしょう。彼女は重傷を負いながらも自らの意思でEVAを操縦しようとしているのに対して、シンジは恐怖におののきながら、レイの傍らにただ突っ立てるだけでした。
若い女の子(しかも重傷)がシンジの代わりに戦うという構図は、シンジの臆病さを救いようのないものにしてしまい、このワンシーンのみを取り上げ、彼を裁く人もいます。

他の臆病なキャラクターは、ライダーがウェイバーに与えた影響の大きさと比べると何も無いのと同じです。つまりウェイバーが最も成長したということです。ウェイバーは、シリーズ終盤では、『Fate』シリーズの大悪党であるギルガメッシュと対峙し、死を覚悟することができるようになりました。
ギルガメッシュは、ウェイバーのライダーに対する忠誠心に感動し、彼が立ち去るのを許しました。これは、ギルガメッシュが情けをかけた数少ない例の一つです。ウェイバーはまだ涙を流さなければなりませんが、泣くからと言って侮蔑されることはないでしょう。

これらの臆病なキャラクターを比較すると、彼らがどのように作られたかを知っている今、臆病キャラがどのように受け取られるかは、彼らが臆病さをどのように演じるかによると思われます。『血界戦線』のレオナルド・ウォッチは、自分の臆病な性格を強く自覚し恥じていますが、それでも大切な人を守るために戦い抜きます。
『魔法少女まどか☆マギカ』の鹿目 まどか(かなめ まどか)は、魔法少女になることを恐れていますが、最終的にはその恐怖にも立ち向かい、自らのすべてを犠牲にしています。この2人のキャラクターは一般的に好かれており、その臆病さをとがめられることはありません。
一方、『未来日記』の天野 雪輝(あまの ゆきてる)は、サバイバルゲームでの汚れ仕事のほとんどを恋人に任せていることから、非常に不人気な主人公です。つまり、雪輝は保護者になることを避け、代わりに保護される側となり、これがシリーズの終盤まで続くことになります。その時点で彼の好感度はすでに損なわれていました。

逃げること自体はいいのかもしれませんが、最終的にはキャラクターがどのように逃げるかで、物議を醸すことになるかどうかが決まると思われます。正しく扱えば、臆病さは、キャラクターがそれとどう向き合うかという点で魅力的な特徴になり得ます。

成長する機会を逃し、ただ叫び続け、逃げ続けるキャラクターは、時間とともに迷惑になるだけです。最終的には振り向き、逃げ続けていたものに向き合うキャラクターは、最高の成長を見せ、ファンにとって永遠に愛おしい存在となるのです。

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