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今、アニメは作られすぎているのか?

今、アニメは作られすぎているのか?


アニメの年間制作本数が増えることは、業界全体にどのような影響を与えるのでしょうか。
また、それは最終的にプラスになるのでしょうか、マイナスになるのでしょうか?

ーー 注意 ーー
以下の記事には、自殺や自傷行為についての簡単な説明が含まれています。

アニメの制作量は、数十年前と比べると倍以上に増えているようです。アニメの人気と認知度は世界的に高まっており、コンテンツへの需要は尽きることがないようです。
しかし、アニメが増えるということは、多くの人にとって労働時間が増えるということでもあります。

では、アニメの年間制作本数が増えることは、業界全体にどのような影響を与えるのでしょうか。良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか。
そして、これからどうなっていくのでしょうか。

アニメという世界のはじまり

1917年に制作された『なまくら刀』(幸内 純一(こううち じゅんいち)監督)は、4分の短編ですが、現代に残る最古のアニメです。しかし、アニメが産業として成立するようになったのは、1960年代の『鉄腕アトム』の成功がきっかけです。
その後、アニメの生産量は着実に増加し、1965年には生産量が2桁に達しました。2003年には3桁になり、平均で100本以上のアニメが作られるようになりました。2013年には200本台になり、2030年には500本台になると予想されています。

2022年秋シーズンだけで、30本以上の新作アニメが登場しますが、これには『ワンピース』や『BORUTO』のような続編や継続中のシリーズものは含まれていません。この数は近年、季節ごとに提供される作品の平均的な量となっており、今後10年で2倍の規模になると予想されています。
アニメ産業は成長を続けており、その勢いはとどまるところを知らないのです。

アニメを作りすぎることへの副作用

アニメを大量に生産する代償として、特にアニメーターの劣悪な労働環境が挙げられます。低賃金、過酷な労働条件、長時間労働が重なり、アニメ業界は日本で最も自殺率の高い業界となりました。

2014年、28歳の男性の自殺が、政府によって労災に分類されました。彼はA-1 Pictures(『ソードアート・オンライン』、『四月は君の嘘』)の正社員アニメーターとして働いており、入社3年目でした。調査の結果、亡くなるまでの1カ月間に600時間以上働いていたことが判明しました。
この発覚を受け、A-1 Picturesは「この判断が事実であれば、予想外のことであり、判断理由が不明であるためコメントできない 」と公式声明を発表しました。男性の遺族は労災の給付を受けた、ということです。



フリーランスのアニメーターの月収は、1枚200円。しかし、アニメは絵柄が複雑なため、1枚の絵を仕上げるのに1時間かかることもあり、とすれば多くのアニメーターの平均時給は200円程度となります。
多くのアニメーターにとって、現在の生活賃金は十分ではなく、その結果、家族と一緒に暮らすことを選択する人も多いのです。多くのスタジオは、労働基準法が適用されるのを避けるためにフリーランサーを雇うことを選択します。そうすることで、フリーランスのアニメーターにできるだけ低い金額を支払うことができるからです。
それはコスト削減であり、効率的でありますが、非人道的でもあります。

最近の調査では、女性アニメーターの賃金は男性よりもさらに低いという結果が出ており、彼女達にとって状況はさらに悪いのです。このような無理な労働時間によって、多くのアニメーターが疲労と過労のために入院しています。多くのアニメーターは、生活のために他の仕事を掛け持ちしなければならず、これが燃え尽き症候群に繋がるケースも少なくありません。

最近のアニメはなぜ話数が短いのか

アニメの話数、特にアニメオリジナルの企画作品は、年を追うごとに短くなっているようです。かつてのアニメは1作品当たり数年単位で放送され、話数が100話を超えるものも少なくありませんでした。最近では、1クールまたは分割で、毎回11~13話程度で公開されるタイトルがほとんどです。
現在も存在する長寿アニメのほとんどは、『名探偵コナン』や『サザエさん』のように何年も続いているもので、子供向けアニメ、あるいは既存の有名作の一部となっているアニメです。

これは、アニメのアートスタイルがより詳細になったことが主な理由です。古いアニメでは、西洋のカートゥーンに見られるようなシンプルなキャラクターデザインを特徴としていました。人間でいえば、丸い頭、点のような目、シンプルな服装といったデザインです。
現在のアニメは、より複雑なデザイン、詳細な風景、食欲をそそる食べ物が特徴です。昔のアニメの技術は単純で、当時の視聴者のほとんどが子供だったため、アニメーターは複雑なシーンを表現する必要性やプレッシャーを感じることがなかったのです。

今や、現代の子供向けアニメでさえ、滑らかで複雑なアニメーションの描写があり、視聴者は画面全体に優れたアニメ描写による目の保養をすることが期待されるようになったのです。ファンの期待に応えられないと、たとえストーリーがよくても、作品の売り上げに影響することがあります。
アニメの収益の多くはグッズの売り上げで成り立っているため、作品がヒットしなければ、グッズもヒットしません。また、第1期放送で多くの収益を上げられなかった場合、2期目、あるいは2クール目の放送が決定する可能性は限りなくゼロに近くなります。

アニメ制作のスピードは今後も衰えることはなく、シーズン毎にどんどん新作が発表されているようです。アニメーターたち自身も、自分たちが置かれている状況に良い変化があるとは思っていないようで、今、アニメ業界に身を置くのはやめたほうがいいと彼らにアドバイスする人も多いのです。
しかし、多くのアニメーターは、アニメに対するもの凄い情熱と愛情をもって、描き続けているのです。

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