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TIFFCOM:日本のアニメ産業はコロナの苦境を乗り越え、新たなピークを迎える

TIFFCOM:日本のアニメ産業はコロナの苦境を乗り越え、新たなピークを迎える


2009年から毎年実施しているアニメ産業レポート2022によると、パンデミックの影響にもかかわらず、日本のアニメ産業は健全な状態にあるようです。

火曜日に行われたTIFFCOMセミナーでは、アニメ産業レポート編集長の増田 弘道(ますだ ひろみち)氏とTIFF「ジャパニーズ・アニメーション」部門プログラミングアドバイザーの藤津 亮太(ふじつ りょうた)氏が、数字だけでなく、その背景にあるトレンドについても語りました。

昨年(2021年)は、テレビ、映画、配信、ビデオなどのアニメコンテンツだけでなく、グッズ、アミューズメント、音楽、海外販売、ライブエンターテインメントなどを「産業」と定義し、売上高184億ドル(2兆7千億円/1ドル148円)で過去最高を記録しました。
これは、前回のピークである2019年に比べて9%増となりました。増田氏が指摘するように、産業の成長は、パンデミックの年である2020年に頭打ちとなりましたが、2021年には「強く反発」した格好となりました。

「当初は(コロナの)もっと大きな影響があるかと思いましたが、結局1年だけでした」と増田氏は言います。

理由のひとつは、アニメスタジオがいち早くリモートワークへの切り替えを行い、制作レベルを維持した事。もうひとつは、2020年に一時的に停止したものの、様々な段階で制作中だったタイトルの未処理分が2021年になってスムーズに制作ラインに流れ始めた事です。
好調な商品販売と配信サービスの需要増に後押しされ、昨年は売上が急増しました。長らく低迷していた映像ソフトの売上も急伸しました。



しかし、圧倒的に貢献度が高いのは海外版権販売で、2021年には全収益の48%近くを占めています。また、昨年は海外のアニメ市場が初めて日本国内の市場規模を上回り、日本国内の88億ドル(1兆3千億円)に対して96億ドル(1兆4千億円)に達しました。

一方、アニメスタジオは、パンデミック対策によるコスト増、アニメ制作のデジタル化に対応するための人材育成など人件費の増大により、収益を圧迫されました。「多くのスタジオが、アニメ制作を100%デジタル化する」と言っていると増田氏は言います。「それは、かなりのスピードで進んでいますね。」

業界にとってもう一つの懸念は、最大のストリーミング配信者であるNetflixです。Netflixは積極的にアニメを購入していますが、その計画については情報を出し惜しんでいます。「Netflixの計画は急激に変化する可能性があり、業界関係者は、彼らが何をするつもりなのか知りたがっています。」と藤津氏は言います。

日本のアニメにとって巨大な市場でありながら、必ずしも信頼できる市場とはいえない中国も、業界にとっては不安材料です。「中国においては政治的な風向きがどうなるかは分かりません。」と藤津氏は言います。中国ではどんな理由か分からないまま、ある作品全体の受注がキャンセルされることがあるからです。

最後に、現在隆盛を極める配信市場について、増田氏は、20年ほど隆盛を極めた後、衰退したビデオ市場のようになる可能性があると指摘します。「配信は2000年代初頭に始まり、今がそのピークです。」と彼は言います。「次のメディアは何でしょう? 誰も分かりません。」

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