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『陰の実力者になりたくて!』:シドの凡人の振る舞いとそれが不可欠である理由

『陰の実力者になりたくて!』:シドの凡人の振る舞いとそれが不可欠である理由


シドは平凡な男爵家の息子という仮面を保つことに執着している事は、陰の実力者になるという夢と滑稽なまでの対比を生み出していますがが、なぜでしょう?

ーー 注意 ーー
以下、HIDIVEで配信中の『陰の実力者になりたくて!』第3話「凡人の剣」のネタバレを含みます。

シド・カゲノーは、平凡なモブキャラクターの仮面を維持することに執着し、シャドウガーデンのリーダーであるシャドウとして演じるクールでスタイリッシュな役柄と滑稽なコントラストを生み出しています。
そしてシドが陰の実力者を目指す旅を続けるうちに、凡人と陰の実力者という混沌とした二重生活の両面から誤解を重ねてゆくことになります。
しかし、シドはどこまで演技で周囲を納得させることができるのか、さらに言えば、そもそもなぜ平凡な人格を作り出したいのでしょうか?

虚勢を張って優位に立とうとする中二病とはシドは正反対で、自分の力やシャドウであることをうまく隠しているのが彼の自慢です。
前世での死の真相が魔力獲得に狂奔したためであることを、前世で誰も信じる者がいなかったあたり、シドはもとから二重生活を送る術に長けているのでしょう。

シドの凡庸である事へのこだわり

シャドウとして山賊や盗賊を狩っている時以外は、ミドガル王国で、魔法で肉体を強化する魔剣士を輩出することで知られるカゲノー男爵家の息子として日常生活を送っています。
圧倒的な才能を持つ姉を男爵家の後継者として持つシドは、その力と強さを隠すことができ、田舎の普通の下級貴族を演じています。

『陰の実力者になりたくて!』第3話「凡人の剣」では、学園の美女に告白する負け犬の演技を完璧に見せたシドでしたが、ある問題に遭遇します。シドは、汗の量、緊張の度合い、声のトーン、手の震えなど、凡人が勇気を絞る際に必要な事を事前に完璧に研究していました。
そしてそれを完璧に演じきったにもかかわらず、シドが告白した美女、アレクシア・ミドガル第二王女が当初の予想通りシドを振るのではなく、なんと告白を受け入れ、デートに応じてしまったのです。これではシドの思惑は崩れ、いやいやながら彼を脚光を浴びる場所へ引きずり出すことになります。



自分の能力や正体がばれないように目立たないように生きてきたシドにとって、これは迷惑極まりないことでした。しかし、王女が本性を現し、シドを見下すような態度をとりながらも、協力の対価としてシドに金を渡した際、 シドはこの状況は仕方がないと何とか自分を納得させます。
彼の秘密組織シャドウガーデンのためには少しでも多くの資金が必要だと考え、シドはプライドを捨て、姫の犬として平凡な自分を演じ続ける事にしました。

なぜ、凡庸である事が重要なのか?

平凡に振る舞うことにシドが不自然なほど執着しているように見えますが、この役割は前世から引き継ぐ彼の願いで、シドが陰の実力者になるためには重要なのです。その名の通り、シドの夢は才能を発揮する舞台としてシャドウを必要としているのです。
その為に、怪しげな行動の隠れ蓑として、日常を凡庸の偽装とアリバイ作りに使うことで、性格が対照的なシドとシャドウが結びつくことはない、と周囲に信じ込ませることがシドの目論見でした。

シドは、強さ、技、魔法の完璧さを追求する一方で、二度見する価値のないモブキャラクターとしての完璧な演技を目指しました。学校の友達にヒョロ・ガリやジャガ・イモという地味なキャラクターを選んだり、辺鄙な田舎の男爵家の息子であることを利用したり、姉の影に隠れたりしました。
つまり、日常生活の中でいかに自分が平凡であるかということを、シドは隙なく盛り込んで、シャドウとしての人格とは全く別の人格を作り上げていたのです。しかし、彼は自分の二重生活の両面で直面している危険が、まさに実在するディアボロス教団のものであることにまったく気づいていないのでした。

シド・カゲノーの平凡でモブキャラ的な日常は、陰の実力者を演じる上で欠かせないものであり、シャドウガーデンの全知全能的なリーダーであるシャドウと同様に、シドもこの役作りに相当な力を注いでいます。
シドは旅を続けるうちに、面白い誤解や予定外の出来事によって平凡な地位を危うくする人物に出会うでしょうが、ファンは、続くエピソードで、主人公が思いつく巧妙で陽気な方法で困難を乗り切るさまを見る事が出来るでしょう。

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