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なぜ、アニメには記憶喪失のキャラクターが多いのか?

なぜ、アニメには記憶喪失のキャラクターが多いのか?


記憶喪失の主人公は、普遍的なプロットとして人気がありますが、様々なジャンルの有名なアニメでもよく使われています。そしてそれには理由があります。

ジャンルやターゲット層を問わず、アニメ業界全体には、いくつかのお約束的設定が存在します。その最も一般的なものの1つは記憶喪失で、主人公や副主人公が作中の何かのイベントの前に記憶を失ってしまうというものです。
このストーリー進行の仕組みは、いかにも陳腐に見えるかもしれませんが、実はこれにはいくつかの理由があります。

記憶喪失を用いると、視聴者が作品の世界をキャラクター達と同時に知ることができます。主人公に視聴者を挿入したような感じと言えばいいかも知れません。
更に、キャラの記憶喪失は、ストーリーの中心となる謎がストーリーラインに1つ追加されるという事を意味し、プロットに緊迫感を与えることができます。
ここでは、ジャンルを問わず、アニメが記憶喪失をプロットデバイスとして多用される理由を詳しく見ていきましょう。

記憶喪失がアニメのキャラクターをより親しみやすくする

記憶喪失を利用してキャストを成長させたアニメの例は多く、悪名高い『エルフェンリート』、『東のエデン』、その名の通りの『AMNESIA』(アムネシア)、そして間違いなく『黄昏乙女×アムネジア』(たそがれおとめ アムネジア)『ゴールデンタイム』などが挙げられるでしょう。
最後に挙げた作品の場合、事故で記憶の大部分を失った後、大学に入った青年が登場します。この作品の他の登場人物の一人は、彼の旧友で、彼のトラウマのために自分を責めています。
主人公が記憶喪失なので、視聴者は彼よりも先に情報を得ることができ、記憶喪失がなければごく普通の日常系アニメだったであろう作品に、緊張感と葛藤を与えています。

記憶喪失の主人公は、視聴者と同じタイミングでアニメの世界を知る事になるので、様々な意味で視聴者があとを追いやすいキャラになっているのです。また同じく、視聴者と同じタイミングで他人の行動に魅力を感じたり、ショックを受けたり、怒ったりすることで、作品に真実味と親近感を与えています。
このような物語は、現実的なシリーズであれ、空想的な冒険であれ、様々なジャンルで語られています。例えば、『.hack//SIGN』(ドットハック サイン)は、ゲームの世界にいることは知っていても、自分の前世を知らないキャラクターが登場します。
このことは、アニメで記憶喪失が多用されるもう一つの大きな理由を示しています。



アムネジアは、アニメに即効性の緊張感を与える

アニメのキャラクターが記憶喪失になると、そのキャラクターが記憶を取り戻し、自分が何者であったかを知るという筋書きが必ず出てきます。仮に最初はあまり注目されなくても、後々プロットが進む方向性の1つが確実に存在するという事です。
例えば、カードバトルの代表作『遊☆戯☆王』では、闇遊戯のバックストーリーが長い間明らかにされませんでした。彼の過去に関してわかっている事は、とにかくゲームが上手いという事だけで、その出自の全貌はシリーズの最後まで明らかにされませんでした。

また、前述の『東のエデン』のように、主人公が「自分が誰なのか、どうして今の状況になったのか」を覚えていない状態からスタートするタイトルもあります。そのため、自分が歩んできた道のりの真実を知ることが、まさにストーリーのメインとなるため、それが後回しにされることはありません。
もちろん、記憶喪失はアニメに限ったことではなく、他のメディアでもよく見られます。重要なキャラクターの記憶や存在意味を奪うことで、物語をメインのストーリーラインから逸らせるのがその目的と考えられます。
つまり、他のキャラが何らかの形で、かつての記憶喪失キャラがどんな人物だったかとか、そのキャラの出自を思い出させる必要が出てくることもあり、結果的にそれまで築き上げてきたキャラの発展性や成長の集大成となる事が出来るのです。

記憶喪失というプロットがいかによく用いられ、かつ信頼できるものであるかを考えると、ストーリーテリングの要素として記憶喪失がなくなることは今後もないでしょう。ドラマを盛り上げたり、登場人物に親近感を持たせたりする最も斬新な方法とまでは、言えないかもしれませんが、ある種のジャンルには完璧にフィットするのです。
記憶喪失が作品によっては非常にうまく活用されていることを考えれば、記憶喪失の主人公がアニメ作品にどれほど寄与できるかを、無視することはできないでしょう。

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